レムデシビルが7日承認されました。
2020/05/07
5月7日待望の新型コロナウイルス感染症の治療薬としてアメリカの製薬会社ギリアド・サイエンシズの『レムデシビル』が特例承認を得ました。
この後に安倍首相が発表していることが予定通りに進めば今月中にはアビガン(ファビピラビル)も続いて承認されることと思います。
さてこれで対コロナウイルスの特効薬としての働きが期待されるところですが正直情報や治験が新型コロナに対しては少ないので安心して使えるかというと疑問ですね。
またレムデシビルは静脈への注射でアビガン錠剤の薬なので重症度で使い分けられるはずです。
まずレムデシビルは当初はエボラ出血熱に効果があるということで製造されましたが蓋を開けてみると2018年~2019年8月めで感染が流行しているコンゴの病院などの医療機関での治験が進みましたが有効性は認められなかったそうです。
また中国での臨床検査ではレムデシビルは新型コロナウイルスに対する有効性は認められなかった。とWHOが誤ってWEB上で掲載した情報により漏れたという報道も気になります。
一方で2020年4月医学雑誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン (NEJM) に発表された、ギリアド社が資金提供しレムデシビルの臨床研究を実施した、各国の研究者が連名で著した論文によると、レムデシビルの重症のコロナ肺炎患者へのコンパッショネート・ユースでの臨床試験のデータを集計したところ、53人の患者の内、36人 (64%) の患者で呼吸機能に改善が見られたとしています。
ちなみにギリアド社はタミフルの製造元です。
抗インフルエンザ薬であるタミフルも服用後の異常行動が未成年で多数確認されたために2007年には未成年に対するタミフルの投薬を禁止する措置を厚生労働省がとりましたが、実際は服用していない患者にも一定の割合で異常行動が認められたり検証が進み異常行動とタミフルの関係は後に否定されます。
私個人の記憶では当時タミフルと異常行動との報道がめちゃくちゃされていたと思います。
風評被害ですね。
もし仮にもっと多くの症例や研究が進んでいればこのように薬剤と副作用を誤って結びつけてしまうということはなかったと思いますがやはり薬の有効性を判断するには実際一般に流通して臨床数を稼がないとわからないというところが実情なのでしょうか・・?
私は医者じゃないのでその辺の薬の安全性へのボーダーラインのほんとのところはわからないので適当なことは言えませんね。
ただ面白いなと思ったのはアビガンは抗インフルエンザ薬ですが2000年代からフランスやドイツ、スペインでもエボラ出血熱に有効だとの研究結果が出ていたり、今年の3月には中国国務院共同予防管理機構や武漢大研究チームはアビガンが新型コロナウイルスに有効であるということを正式に発表しています。
よく報道されている催奇形性に関しても度々ほうどうされていますがヒトではまだ確認されておらず動物実験でのみ確認されたそうです。(現在でもアビガンは妊婦さんへの使用は基本的には認められていません。ただ医師と患者同士のインフォームドコンセントで本人が希望した場合は処方した例もあったと思います。)
ヒトでの確認されている副作用は尿酸値が上昇する例がみられるそうですが尿酸値の薬を服用することによって数値は安定したとのことです。
日本の薬だからかアビガンの方が情報が豊富なのでレムデシビルと比較することはできませんがとにかく両方とも臨床数が少ないので症状の程度やリスクとメリットを勘案して使用することが求められそうです。
ただこの薬によって少しでも苦しんでいる方が早く改善できることを願ってます。
後は薬を作った白木教授の話を聞くのが一番てっとり早いですね。
それではまた。